八王子市中町 八王子花街・黒塀通り
戦後間もなくまで「織物の街」として繁栄した八王子市中町界隈には、多摩地域で唯一の花街があり、社交の場として賑わいをみせていたが、繊維業の衰退とともに風前の灯となった。そんな花街の伝統を守るべく、有志により「八王子黒塀に親しむ会」が結成され、再生への努力がなされている。時代とともに薄れゆく大正・昭和初期のまちなみ情緒を、東京都の「江戸東京・まちなみ情緒の回生事業」として補助を受け、趣のあるまちなみが復活した。芸妓衆は地域の行事などにも積極的に参加して技芸を披露し、高い芸質が評価を得ている。
- 文と写真:佐藤 武文
- 東京都建築士事務所協会八王子支部