| 設計者 | 
                建築施工者 | 
                建築主 | 
               
               
                | 株式会社日本設計 | 
                
          清水建設株式会社 | 
                日産自動車株式会社 | 
               
             
      
	  ■建築概要
         
          | 建設地: | 
          神奈川県・厚木市 | 
          用  途: | 
          事務所 | 
         
        
          | 構  造: | 
          S造一部RC造 | 
          延面積: | 
          69,471.94m2 | 
         
       
      
	  ■審査評
        
           緑豊かな起伏ある丘の連なる厚木市の西部に位置する、自動車メーカの拠点技術開発センターである。 
		   研究施設といえばマッシブで閉鎖的になりがちだが、この建物は7階建ての執務空間を雛壇状に階をずらし、
		  北面をその傾斜に合わせガラスの傾斜屋根で覆い、南側に吹き抜けアトリウムを形成することで南北に明るく
		  開放的な屋内空間と軽やかな外観によって周辺環境に溶け込み親しみのある斬新な造形となっている。
		  ひな壇状の執務室は、技術研修や展示の場となる1階ステージを中心に上下階分け隔てなく見通せ、
		  劇場のような広々とした一体感を生み、自然の光、風の流れ、外部環境の移ろいも感じられる快適な執務環境が創出された。
		  これを成立させているのは、執務室では各階の階高4.5mに、天井をなくし鉄骨で架渡した無柱長大スパンであり、
		  アトリウムでは日射遮蔽ルーバー付のガラス傾斜屋根が寄与している。
		  構造上の安全性では、地下に免震支承も採用され、効率の良い自然換気、床吹き出し空調、太陽光発電といった建築、
		  設備への技術的な挑戦による快適性、省エネ性のアイディアが随所に詰まっている。
		  環境対策にも積極的に取組み、建物外周では、旧大学校舎解体で出た廃材を土塁に利用したり、
		  地形・水系・植生の修景への配慮もされ総合的にCASBEE(建築物総合環境評価システム)Sランクの獲得もされた。
		  将来にわたる自動車先進技術を生み出すインキュベータとして今後その真価が予感できる作品で秀逸である。(福島 賢哉) | 
         
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