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カッコ
【「 」の家】
 
 
設計者 建築施工者 建築主
アーキエア (株)小川建設 野尻 伸二/野尻 睦子
 
■建築概要  
建設地 茨城県取手市
木造+RC造
専用住宅
延面積 128.61m2
 
■審査評
 取手市の高台住宅地に建つ30代の共稼ぎ夫婦と2人の子供のための住居である。
 タイトルのとおり、屋根と東面の壁を構成する木質パネルの「 と西面の外壁と床底版を構成するコンクリートの 」に優しく包み込まれた快適な住居である。
 間口に対して奥行きのある敷地に、南北に刻まれた900ミリモデュールでアーティキュレートされた空間で構成されている。
 そのことによって、1階までの自然採光の仕掛けや、将来の空間活用のための個人専用の可動間仕切り収納家具の工夫、さらには吹き抜け空間を様々に演出する半透過性のシート張りの可動壁面収納扉などが考案され、シンプルでありながらフレキシブルな生活を可能にしている。
 西側の通り庭状の外部土間空間は、近接する隣家と
  の視線を遮りつつ、採光、通風に役立ち、なにより室内空間の延長としての豊かな広がりを確保している。
同時にパーキングスペースを含むこれらの外部空間は子供達の安全な遊び場、消防士であるオーナーの訓練の場にもなっている。
 2階は眺望のきく南面するテラスを持ち、自然光に溢れた明るい広間を持ち、ここでも設計者がデザインした可動の大テーブルによってさまざまな設えが可能であり、ダイニング、リビングとしてだけでなく、外部からダイレクトにアクセスできる子供達の遊び場、あるいは多数の客を呼びパーティも可能な開放性を持っている。キッチン、洗面所を通過する回遊性も豊かな空間利用を促している。
 パーキングスペースを仕切るシートやトップライトなど安価な材料を有効に利用する工夫が随所に見られ
デザイン的創意に溢れた住宅である。(栗生 明)