NEWS

2026年03月03日
改正建築基準法対応 ― 木造住宅構造試設計の公開(木造専門委員会)

令和7年4月施行の建築基準法改正により、いわゆる「4号特例」は廃止されました。 これに伴い、これまで建築確認申請において構造審査が省略されていた木造2階建て住宅等についても、構造審査が確認対象となりました。

本改正は、木造住宅等の構造安全性を一層確保することを目的とするものであり、設計実務においては、構造検討の実施およびその内容に対する説明責任が、これまで以上に明確に求められることとなります。
しかしながら、実務の現場においては、
• 具体的にどのような構造検討が必要となるのか
• どの範囲まで確認申請図書を整備すべきか
• 従来の設計業務と何が本質的に異なるのか
といった点について、少なからぬ戸惑いが見受けられるのが現状です。

このような状況を踏まえ、一般社団法人東京都建築士事務所協会木造専門委員会では、東京都都市整備局の協力のもと、改正建築基準法の趣旨に基づいた構造特化型の試設計を作成し、建築確認申請において求められる設計(添付)図書の内容を具体的に整理しました。

本試設計は、仕様規定ルートによる構造設計を前提とし、以下の観点から検証を行っています。
改正内容に基づく構造関係申請図書の整理
• 仕様表の記入例
• 壁倍率および柱頭柱脚接合金物の記載例
• 壁量の検討例
• 四分割法の計算例
• N値計算による柱頭柱脚接合部の算定例
• 詳細図の記載例
• 標準図の活用例
• 壁量計算における表計算ツールの使用例
なお、本試設計は構造的成立性の検証を主たる目的としており、建築計画上の合理性、動線計画、意匠性等については検討対象としていません。

また、仕様規定ルートによる図書作成例として位置付けているため、各部の詳細な検討書については省略しています。 例えば、Y0通りX0軸の1階柱脚では、35kNの引き寄せ金物を要し、構造的に浮き上がり力が生じます。この浮き上がり力に対しては、Y0通り基礎梁の下端筋に十分な断面性能を確保する必要があります。 また、Y0通り2階X4軸では、梁の中間で2階耐力壁の反力を受けるため、比較的大きな曲げ応力が発生します。そのため、構造安全性に配慮した梁断面の設定が求められます。
本試設計が、改正建築基準法への対応を検討する上での、実務的な参考資料の一つとなれば幸いです。

※本資料は構造設計の理解を目的としたものであり、実際の設計にあたっては、個別条件に応じた詳細な検討が必要です。また、個別の申請案件については、建築主事、建築副主事または指定確認検査機関へ確認を行って下さい。
※本試設計に使用した木造標準図は改定予定版の試用です。