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【聖ステパノ学園講堂「海の見えるホール」】
 
 
設計者 建築施工者 建築主
(株)竹中工務店 東京一級建築士事務所 (株)竹中工務店 学校法人聖ステパノ学園
 
■建築概要  
建設地 神奈川県・大磯町
S造、一部RC造
学校講堂
延面積 391.61m2
 
■審査評
 大磯駅前に、戦災孤児救済のために創設されたエリザベスサンダースホームのこんもりとした緑の台地の頂上付近に、創立50周年記念事業として建設された200人収容のホールで、学校の講堂として使われる他、礼拝、式祭、演劇、音楽会等多目的に使われ、地域にも開放されている。緑豊かな自然環境の中、東側に相模湾を見晴らす敷地条件を最大限に生かして、舞台バック壁を全面ガラスとし、客席全てから町並み越しに広がる明るい大海原の景観が楽しめる。建築はシンプルな正方形プランとし、南北側の壁によって構造   を支え、東西面は大きく開放されている。アプローチ側のガラス面を斜めに傾ける事によって屋外テラスをホワイエ的に構成し、深い軒の出と樹木の木立によって美しい表情を作り上げている。あくまでも学校の講堂という機能を優先させ、簡素な材質と単純なディテールで構成し少し物足りなさを感じさせるが、一方で純粋な爽やかさにつながっている。狭い山道の上の工事という施工上の悪条件を克服して、シンプルで端整な佇まいに好感が持てる作品である。
(岡本 賢)